先日、自然農法を実践しながら人類のあるべき姿を問い続けた福岡正信氏(1913-2008)を紹介した昔の番組がテレビで再放送されていました。
とても感銘を受けたので早速、福岡正信氏の著書「わら一本の革命」を買って読みました。
今の社会はネットを使えば自宅に居ながらにして何でも買えて、何でも宅配便で届けてくれる便利な時代です。でも、この仕組みは物流システムの上に成り立つシステムであり、安いガソリンがある事が前提です。
その石油は大昔の植物が地層の中に溜まってできたもので、このまま使い続ければあと40年で枯渇すると言われています。20年位前からこの40年と言う数字は変わっていないので不思議に感じますが、実際には掘った井戸が枯渇しても新たな井戸を掘り続けているので何とか供給量が維持されていましたが、最近は深海など掘削が困難な所しか無くなってきているのでそろそろ枯渇までのカウントダウンも始まると思われます。
地球温暖化防止の面からも化石燃料の消費抑制が求められる中、CO2を出さないエネルギー源として原子力発電が注目されていました。でも、これも自然の猛威に屈してしまいました。
今回の大地震では、電気、ガス、水道が止まり、ガソリンの供給も断たれましたが、そんな中では人間は生きる術も無くなることを痛感しました。
この輝かしい文明社会は実は膨大なエネルギー消費によって支えられている砂上の楼閣であり、エネルギーが無くなれば全く無力な社会だったのです。
今のエネルギー多消費社会は人類の長い歴史に比べればここ百年と言う短い期間の出来事であって、それ以前にはこれほどまでにエネルギーを使わずとも人類は幸せに生きてきました。
自然の摂理を巧みに活かした自然農法を通して人類の原点を問い続けた福岡正信氏の生き方は、エネルギー多消費社会からの脱却を求められる今の我々にとって一筋の光のような気がしました。